2016年11月05日

セキュリティ・キャンプ2016で使用した、熊猫のテキストを公開しました。

RHEL 7.3 が封印解除されたので、自主規制を解除します。

今年のセキュリティ・キャンプでは、 Linux カーネルのメモリ管理機構の闇について扱いました。3年超の期間を費やし、3000通超の関連メールを送受信し、そして、今年1月からは会社の業務時間の大部分も使わせてもらいながら対応した、膨大な活動履歴の中から抽出したものです。

講義資料では、20年前から存在していたと考えられる脆弱性である CVE-2013-4312 および CVE-2016-2847 の発見から始まり、ずるずると闇に引き込まれていき、幾つかの問題について光を取り戻すまでを描いています。

CVE-2013-4312 および CVE-2016-2847 については RHEL 7.3 のカーネルで修正されていますので、信頼できないユーザがログインする可能性のあるシステムではカーネルをアップデートしてくださいね。先月、 DirtyCOW ( CVE-2016-5195 )への対処でカーネルをアップデートしたばかりだとは思いますが。

メモリ管理機構に起因したシステムのハングアップが発生しても、それを平均的なシステム管理者でも認知できる仕組みが存在しないため、どれくらいの頻度で発生しているのかについての情報はありません。サポートセンタに「今回のハングアップに関して、メモリ管理機構が原因の可能性はあるか?」と照会しても、「判断できない」としか答えられないのです。もし、「無い」とか「低い」とか回答するようなサポートセンタを見つけたら、この資料を見せてやってくださいな。(笑)

posted by 熊猫さくら at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | Linux
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