2015年08月18日

セキュリティ・キャンプ2015で使用した、熊猫のテキストを公開しました。

去年から今年にかけて、例えば Shell Shock 脆弱性のような、OSレイヤーでの重大な脆弱性が見つかり、セキュリティ意識の高い人たちの間では「 SELinux を使おうよ」という機運が高まっているのかもしれません。しかし、サポートセンターでの経験より、「 SELinux を使ってトラブルが起きても対処できない」という人たちも大勢いることが判りました。そこで、改めて「OSの挙動を知って、OSレイヤーのセキュリティについて考えてみよう」と思い、今年度は「 TOMOYO / AKARI / CaitSith ハンズオン」というテーマにしました。

読むためのPDF版コピペするためのテキスト版

今回のテキストは、事前学習資料部分と当日学習資料部分の2部構成になっています。

事前学習資料部分では、「講義で使う環境に慣れてもらう」ことを意図して、「 PXE ブートして sl コマンドが走る Linux 環境を作る」ことに挑戦していただきました。 Scientific Linux ならぬ、 SL Linux です。(これは、昨年度のキャンプの企業見学からの帰りのバスの中での雑談から思いついたネタです。)

当日学習資料部分では、 TOMOYO をメインライン化するまでのドタバタ劇とか、3年間 RHEL システムのトラブルシューティング業務に従事して痛感した組織の問題点とかのような、技術的に Linux システムに詳しくない人にも何かの役に立つ話を交えたいと思いました。また、緊急コラム「 bash 脆弱性( CVE-2014-6271 )の影響範囲の調査方法について」が掲載されました。で「あまりに dis りすぎたため、公開したら怒られそうな内容になってしまいました」と書いたように、一昨年/昨年のテキストについては公開することを躊躇っていましたが、責任をとらないお偉いさんたちが蔓延していく現在の日本の危機的状況を見て、「来年では間に合わない」と判断し、過去テキストも含めて全テキストへのリンクを含めることにしました。

当日学習で使用した VirtualBox 向けのVMイメージは、 http://jaist.dl.sourceforge.jp/caitsith/63583/ からダウンロードできます。(ただし、サイズが大きいので、1か月後くらいに削除するつもりです。テキストでは CentOS 6 / CentOS 7 / Ubuntu 14.04 の3つしか言及していませんが、受講者の中に Arch Linux ユーザが居ましたので、 Arch Linux 用のVMイメージも用意しました。)

キャンプの様子は http://togetter.com/li/859151 から察していただければと思います。他の講師の方々が公開された資料や、参加者の反応なども見つけることができます。

posted by 熊猫さくら at 01:41| Comment(0) | TrackBack(0) | Linux